開発商工サービス省(MDIC)の発表によると、2016年の製造業部門の工業製品の貿易収支は24億ドルの赤字を計上したにも関わらず、リーマンブラザース銀行破綻をきっかけとした世界金融危機が発生した2008年以降の貿易収支赤字では、最低の赤字幅まで減少している。
2016年の工業製品の輸出総額は1218億ドル、輸入総額は1,242億3,000万ドル、貿易収支は24億ドルの赤字を計上したが、2014年の工業製品の貿易赤字636億ドル、2015年の307億ドルの赤字から劇的な減少を記録している。
昨年の製造業部門の貿易収支では、航空機関連セクター輸出は前年比12.5%、自動車関連セクター輸出は前年比10.1%とそれぞれ大幅に増加、特に自動車関連セクターの貿易収支は2008年以降では初めて黒字を計上している。
昨年の製造業部門の輸入総額は前年比17.6%減少した一方で輸入総額は1.4%増加、しかし農畜産セクター並びに鉱業セクターの輸出は、国際コモディティ価格が改善したにも関わらず、前年比10.6%減少していた。
昨年の航空機関連セクターの貿易収支は前年比82.4%増加の29億ドル、輸出総額は72億7,000万ドル、輸入総額は43億2,000万ドルであった。自動車関連セクターの貿易収支は、10.4億ドルの黒字を計上して2008年に記録した21億8,000万ドルの黒字以来8年ぶりに赤字から黒字に転じている。
昨年の自動車関連セクターの貿易収支黒字10.4億ドルを計上した要因として、為替が輸出を牽引、またアルゼンチン向け輸出も好調に推移して、昨年の自動車関連セクターの輸出総額は121億1,000万ドル、輸入総額は110億7,000万ドルであった。
また昨年の繊維製品セクター並びに履物セクターの輸出総額は、42億1,000万ドルに達したため貿易収支は僅かに3,700万ドルの赤字に留まって、前年の18億ドルの赤字から大幅に改善していた。(2017年2月6日付けヴァロール紙)