開発商工サービス省(MDIC)の発表によると、2016年の貿易収支は、輸出入金額とも前年を下回ったにも関わらず、輸入総額の減少幅が輸出総額の減少幅を大幅に上回った影響で、476億9,200万ドルの黒字計上したとMDICのアブラン・ネット長官は説明している。
2016年の輸出総額は1,852億4,400万ドル、1日当たりの平均輸出額は前年比マイナス3.5%、2016年の輸入総額は1,375億5,200万ドル、1日当たりの平均輸入額は、前年比マイナス20.1%と輸出額の落込みを大幅に上回っている。
2016年の輸出総額並びに輸入総額は3年連続で前年割れを記録、2016年の貿易総額は3,227億9,000万ドルで2009年に記録した貿易総額2,807億2,000万ドル以来では、継続する国内の経済リセッション並びに世界貿易縮小の影響を受けて最低の貿易総額まで落ち込んでいる。
Rosenberg&Associados社エコノミストのラファエル・ビスタファ氏は、今年の国内総生産伸び率を1.0%、為替をR$3.50と仮定して輸入総額が前年比7.5%増加、輸出総額は3.0%増加を予想、今年の貿易収支黒字400億ドル前後を見込んでいる。
昨年の貿易黒字に大きく貢献したアイテムとして石油派生品の貿易収支改善を指摘、ブラジルの輸出向け原油量は前年比2.9%増加、しかし原油価格は6.2%減少したにも関わらず、石油派生品の輸入価格は9.0%減少、輸入量も12.2%減少したとアブラン・ネット長官は説明している。
2016年の石油派生品の輸入量は前年比43.1%減少して貿易収支は4億1,000万ドルの黒字を計上して2004年以来初めて黒字に転じているが、しかし原油の輸出量も前年比14.8%減少していた。
2016年の第一次産品輸出は前年比9.6%減少の791億6,000万ドル、工業製品輸出は2.2%増加の1,018億9,000万ドル、そのうち半完成品は5.2%増加の279億6,000万ドル、完成品は1.2%増加の739億3,000万ドルであった。
2016年の資本財輸入は前年比マイナス21.5%の183億6,000万ドル、中間財はマイナス14.9%の849億4,000万ドル、消費財はマイナス19.3%の217億3,000万ドル、石油派生品はマイナス43.1%の124億1,000万ドルとなっている。
2016年の完成品輸出は、主にアルゼンチン向け農業機械や自動車関連製品が牽引して輸出全体の40%を占めて前年の38%から上昇、しかし2000年の完成品輸出は60%を占めていた。
2016年の輸出はレアルの為替安の影響並びに鉄鉱石並びに石油の国際コモディティ価格上昇、石油開発向けプラットフォームの輸出が大きく寄与したとブラジル貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は説明している。
ブラジル貿易会(AEB)では、2017年のレアル通貨に対するドルの平均為替R$3.30を見込んで完成品輸出には追い風とはならないが、今年のGDP伸び率3.0% が予想されているアルゼンチン向け資本財輸出に期待している。(2017年1月3日付けヴァロール紙)