昨日のブラジル貿易会(AEB)の発表によると、2017年のブラジルの貿易収支黒字は、今年予想の456億5,400万ドルを13.1%上回る516億4,700万ドルに達すると予想している。
11月のブラジル貿易会(AEB)では、2017年のブラジルの貿易収支黒字は350億ドルを予想していたにも関わらず、鉄鉱石並びに石油の国際コモディティ価格上昇の影響で、大幅な上方修正を余儀なくされたとAEBのジョゼ・アウグスト・デ・カストロ会長は説明している。
しかしドナルド・トランプ氏(共和党)の次期アメリカ大統領の就任確定で、米国内での雇用拡大を重視した保護貿易強化、ロシアへの接近並びに中国貿易に対する批判は、ブラジルにとっては中国の貿易縮小につながる可能性があるため不利な条件となる。
ドナルド・トランプ次期アメリカ大統領のロシアへの接近は、ロシアへの牛肉輸出で米国としのぎを削っているブラジルにとっては悪条件につながり、また為替操作疑惑で罰則を科したり、高い関税を課したりなど中国経済にとって打撃になりかねない政策を打ち出しているために、ブラジルの中国向け輸出減少につながると予想されている。
特に中国はブラジルの鉄鉱石輸出の最大顧客であり、またブラジルの大豆輸出の80%を購入している相手国の経済停滞は、ブラジルの経済リセッションからの回復を阻害するとカストロ会長は憂慮している。
2017年のブラジルの輸出総額は、前年比7.2%増加の1,973億6,000万ドルを予想、11月だけで国際コモディティ価格が50%以上上昇した鉄鉱石輸出は今年を40億ドル、原油は30億ドル、大豆は20億ドルそれぞれ上回ると予想、2017年の輸入総額は、前年比5.2%増加の1,457億1,300万ドルが予想されている。
今月10日に石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟の主要産油国は、ウィーンのOPEC本部で閣僚会合を開催、15年ぶりに協調減産で合意、また2017年のブラジルの穀物生産は記録更新予想、特に大豆の輸出増加が確実となっている。(2016年12月15日付けエスタード紙)