今月12日に中国商務省は、米国並びにヨーロッパ連合が、中国の「市場経済国」の認定を見送ったことに対して、約束違反であるとWTO(世界貿易機関)に提訴する手続きを開始した。
中国政府は、2001年のWTO加盟時に中国から非常に安い不当価格で輸出される中国製品への課税が厳しい「非市場経済国」の地位受入を容認していたにも関わらず、WTO加盟から15年を迎えた今月11日に「市場経済国」の認定が取り決められていたと反論している。
中国政府にとって欧米の「市場経済国」の認定見送り、更に中国製品への高関税賦課を掲げて中国の通商政策を厳しく批判してきた共和党のドナルド・トランプ氏が次期大統領に決まったことで、深刻な世界的貿易戦争に発展する可能性も懸念されている。
米国並びにヨーロッパ連合以外にも、日本やインド、ブラジルなども中国の「市場経済国」認定を見送っている。世界各国は2008年~2016年にかけて中国政府に対して547件のアンチ・ダンピング関税措置をかけているが、ブラジルも60件のアンチ・ダンピング関税措置かけていた。
ブラジル全国工業連合(CNI)では、中国を「市場経済国」として認定した場合、今後1年間でブラジル国内の雇用は6万6,000人減少すると予想している。(2016年12月13日付けエスタード紙)