ヴェネズエラはチャベス前大統領から引き継いだ大衆迎合主義的な経済政策と高圧的な政権運営を維持するために価格統制を余儀なくされている。また慢性的なインフレ並びに汚職蔓延、デフォルト懸念などさまざまな問題を抱え、食料不足に対する抗議デモが相次いで発生してカオス状態に陥っている。
2016年7月にヴェネズエラが南米南部共同市場(メルコスール)の議長国に就任する予定だったにも関わらず、パラグアイとブラジルが反対、また経済破綻の危機でニコラス・マドゥロ大統領の罷免問題などで終止がつかない状態が続いている。
今年初め7か月間のブラジルからヴェネズエラ向け輸出は、前年同期比63%下落の7億ドルに留まって輸出減少傾向は2013年から継続、特にブラジルからの食料品輸出が大幅減少して食料不足をきたしている。
またブラジルの輸出企業経営者は、ヴェネズエラへの製品輸出では代金回収に不信感を募らせているために、確実な代金支払い保証がない場合は輸出を先送りしている。
ヴェネズエラ向け輸出産品10品目のうち5品目は食料品、今現在は比較的に食料品の輸出代金支払いは順調に推移しているが、特にヴェネズエラ向け牛肉輸出は減少傾向が明確になってきている。
またヴェネズエラの輸出総額の 90%以上を占める石油の国際コモディティ価格が低迷して経済を圧迫している。ヴェネズエラからの輸入の大半は石油派製品で、特にナフサはヴェネズエラからの輸入金額の半分以上を占めている。(2016年8月18日付けエスタード紙)