開発商工省(MDIC)の発表によると、今年初め4か月間の貿易収支は132億4,900万ドルの黒字を計上して統計を取り始めた1989年以降では最高の黒字幅を記録、前年同期の貿易収支50億5,900万ドルの赤字から一転して大幅な黒字を計上している。
今年初め4か月間の輸出総額は前年同期比3.4%減少の559億4,800万ドル、輸入総額は32.2%と大幅減少の426億9,900万ドルを記録、レアル通貨に対するドル高の為替の影響で輸入総額が大幅に減少したため貿易収支が大幅に改善している。
今年初め4か月間の資本財の輸出は前年同期比5.4%減少、第一次産品は3.1%減少、完成品は1.8%減少、半完成品輸出では粗鋼並びにアルミ地金、大豆派生品などの輸出減少が顕著となっている。
また今年初め4か月間の第一次産品輸出では鉄鉱石並びに原油、コーヒー豆の輸出減少が牽引、完成品輸出ではエンジン並びに自動車部品、オートバイ、ジェネレーターの輸出減少が顕著となっている。
今年初め4か月間の輸入では燃料・潤滑油が前年同期比49.5%と半減、中間財は30.2%減少、資本財は29.4%減少、消費財は27.1%減少と1年以上継続する経済リセッション、低調に推移している国際コモディティ価格、輸入材の需要減少並びに国産品への切替が要因となっている。
ドル高の為替効果が漸く輸出増加に結びついてきており、今年の貿易収支黒字を前回予想の350億ドルから450億ドル~500億ドルにアルマンド・モンテイロ(Armando Monteiro)開発商工相は上方修正している。
4月の貿易収支黒字は、鉄鉱石や原油、大豆の国際コモディティ価格上昇に伴って48億6,100万ドルを記録して同月の黒字記録を更新したと貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ(Jose Augusto de Castro)会長は説明している。
4月の中国向け大豆輸出は1,000万トンに達して昨年同月の650万トンを大幅に上回り、また今年初め4か月間の大豆輸出額は42.8%増加しているとカストロ会長は説明している。
3月の1トン当たりの鉄鉱石輸出価格は25.6ドルに留まっていたが、4月には33.1ドルまで上昇、前記同様に原油価格は168.7ドルから198.6ドルに上昇、4月の過去12か月間の第一次産品輸出は2.5%増加している。
4月の完成品輸出はドル高の為替にも関わらず、ブラジルの価格競争力不足で前年同期比1.3%減少した一方で、アルゼンチン向け輸出は4.3%増加、しかし自動車部品や建材、航空機、履物などの主な輸出相手国である米国向け輸出は15.9%と大幅に減少している。(2016年5月3日付けヴァロール紙)