国内経済リセッションによる国内需要の減少にも関わらず、レアル通貨に対するドル高の為替で輸入額減少が輸出額減少を大幅に上回ったために、2015年の貿易収支は予想を上回る197億ドルに達したと開発商工省(MDIC)では説明している。
2015年の輸出総額は第一次産品の輸出量は増加したにも関わらず、国際コモディティ価格の下落拡大に伴って1,910億ドルと2014年の2,250億ドルから大幅に減少した。
また2015年の輸入総額はドル高の為替による輸入減少で1,710億ドルと2014年の2,290億ドルから大幅に減少、2015年の貿易収支黒字197億ドルは18商業銀行のアナリストの貿易収支予想146億ドル~199億ドルの平均を大幅に上回っている。
昨年12月の貿易収支黒字は62億ドルで同月の月間貿易収支黒字は1989年から統計を取り始めて最高を記録、特に原油並びに鉄鉱石、トウモロコシなどの第一次産品輸出が5.3%増加、石油開発向けプラットフォーム輸出8億1,800万ドルを除く完成品輸出は3.0%増加している。
開発商工省(MDIC)貿易担当のダニエル・ゴジーニョ長官は、経済リセッションによる国内消費の停滞並びにドル高の為替の影響で2016年の貿易収支は350億ドルの黒字を予想している。
2015年の輸出量は前年比10.1%増加したにも関わらず、国際コモディティ価格は21.9%減少、特に原油の国際コモディティ価格は前年比44%下落している。
コンサルタント会社テンデンシアス社エコノミストのガブリエル・ジニ氏は、2015年の貿易収支黒字197億ドルは経常収支赤字を590億ドルまで下げる効果につながり、2016年の貿易収支黒字330億ドルは経常収支赤字を441億ドルまで下げる効果につながると説明している。
2016年の国内総生産(GDP)はマイナス3.0%と2015年のマイナス3.8%よりは改善すると予想、2015年末のドルの為替はR$3.95、2016年末のドルの為替はR$4.20とさらにドル高に傾くと予想、2016年の輸入総額は12%減少して輸出総額の3.0%減少を大幅に上回るために貿易収支は330億ドルを上回る可能性をガブリエル・ジニ氏は指摘している。(2016年1月5日付けエスタード紙)