中銀のフォーカスレポート作成に協力している商業銀行のエコノミストは、今年の貿易収支黒字を150億ドルと予想、また2016年の貿易収支黒字はドル高の為替で完成品の輸出が若干増加、しかし輸出増加分以上に輸入製品の減少が牽引して310億ドルに倍増すると予想している。
ブラジル国内経済の停滞で法人企業の売上げ減少、失業率増加、ドル高の為替などの要因で2016年の輸入製品は更に減少して、貿易収支黒字は改善すると貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ(Jose Augusto de Castro)会長は予想している。
今年1月~11月の輸入総額は前年同期比23.1%減少、今年の第一次産品の国際コモディティ平均価格は46%下落が大きく影響して、今年の輸出は前年比14.9%減少を予想している。
今年の貿易収支黒字は160億ドル、国際コモディティ平均価格の低迷並びに第一次産品輸出量増加の影響で、2016年の貿易収支黒字は330億ドルに上昇するとテンデンシアス社エコノミストのガブリエラ・スジニ氏は予想している。
通商研究センター(Funcex)では、今年11月末の原油の国際コモディティ価格は48.5%減少、鉄鉱石並びに大豆はそれぞれ23.4%減少、今年1月~11月の原油並びに鉄鉱石、大豆の輸出総額は444億ドルで前年同期の619億ドルから大幅に減少している。
また今年11月末のレアル通貨に対するドルの為替は45.91%上昇したにも関わらず、今年1月~11月の完成品輸出は前年同期比9.8%減少、2016年の完成品輸出はドル高の為替で増加すると期待されている。
今年1月~11月の鉄鉱石輸出は前年同期比46%減少の128億100万ドル、前記同様に大豆は前年同期比11.0%減少の207億200万ドル、原油は27.0%減少の149億1,000万ドルとなっている。(2015年12月13日付けエスタード紙)