今年9か月間の貿易収支はドル高の為替による影響で輸入製品減少が輸出製品増加を大幅に上回っているために低調に推移、しかし完成品の輸入減少が貿易収支改善に寄与していると産業開発研究所(Iedi)の調査で判明している。
今年初め9か月間の第一次産品の貿易収支黒字は前年同期比82億5,000万ドル減少、前記同様に完成品の貿易収支赤字は、192億ドル減少したため今年初め9か月間の貿易収支は102億5,000万ドルの黒字を計上している。
昨年初め9か月間の完成品の貿易収支赤字492億ドルであったが、今年初め9か月間の完成品の貿易収支赤字は、前年同期比300億ドル減少して192億ドルの赤字に留まっている。
特に今年初め9か月間の完成品の輸入減少のうち付加価値の高い完成品の輸入が大幅に減少したため貿易収支改善を牽引、ドル高の為替効果による貿易収支改善は今年よりも来年に上昇すると貿易会(AEB)のジョゼ・アウグスト・デ・カストロ(Jose Augusto de Castro)会長は予想している。
また10月初めにコロンビアとの間で貿易・投資促進協定を締結した影響で、2016年の南米地域への自動車輸出はコロンビアを中心に増加するとカストロ会長は予想している。
今年初め9か月間の完成品輸出では米国並びにロシア、インド、中国、南アフリカが増加、特に米国向けの完成品輸出は104億ドルを記録、中国向け輸出は14億ドルに留まっている。
今年初め9か月間の完成品輸出は航空機産業を中心に前年同期比1.9%増加したにも関わらず、完成品の貿易収支は188億ドルの赤字を計上している。(2015年11月3日付けヴァロール紙)