環太平洋経済パートナー協定(TPP)交渉合意で、調査対象のブラジルの製造業部門16セクターのうち8セクターで影響受けるとブラジル地理統計院(IBGE)の世界貿易・投資センターの調査で判明している。
環太平洋経済パートナー協定(TPP)交渉合意で特にブラジルの製造業部門で大きな打撃を受けるのは、自動車・部品関連セクターでGDP伸び率がマイナス1.0%に達すると予想されている。
また輸送機械セクターはマイナス3.0%、繊維セクターはマイナス0.11%、衣類セクターはマイナス0.12%、皮革・履物セクターはマイナス0.96%、金属セクターはマイナス0.32%、石油派生品セクターはマイナス0.14%がそれぞれ予想されている。
環太平洋経済パートナー協定締結でチリやペルーが加盟している影響などで南米地域が恩恵を受けるために、ブラジルの木材生産セクターのGDP伸び率は1.8%増加、紙・パルプセクターは0.69%増加、化学・ゴム・プラスティックセクターは0.42%増加、非鉄金属セクターは1.08%増加、電気関連装置セクターは0.91%増加、機械・装置セクターは0.08%増加、その他の完成品セクターは0.03%増加すると予想されている。
南米南部共同市場(メルコスール)に加盟しているブラジルは、先週コロンビアとの間で貿易・投資促進協定を締結、しかし停滞しているメルコスールとヨーロッパ連合国との自由貿易協定締結の早急な再交渉が避けられない。
環太平洋パートナーシップ(TPP)などの新たな経済連携潮流のインパクトの大きさは、単に参加国の地理的・経済的規模だけでなく、物品関税の削減やサー ビス貿易の自由化に加え、投資ルール並びに政府調達、知的財産、規制・基準の調和など広義の「非関税障壁」でもハイレベルの合意を目指しており、貿易ルー ルに留まらず国内の規制にも影響を与えると予想されている。(2015年10月15日付けヴァロール紙)