主に中国経済の停滞による鉄鉱石や農畜産などの国際コモディティ価格は、軒並み過去最低価格で推移して資源輸出国の貿易収支に大きな影響を与えており、ブラジルの天然資源や農産物輸出額が大幅に減少している。
鉄鉱石の国際コモディティ価格が過去最低を記録した影響で、資源大手ヴァーレ社の今年上半期の輸出額は56億9,700万ドルと前年同期の112億5,600万ドルの約50%まで減少している。
しかし石油の国際コモディティ価格の下落に伴ってペトロブラス石油公社の今年上半期の輸出額は47億1,600万ドルまで減少、ヴァーレ社の今年上半期の輸出額56億9,700万ドルはブラジル企業ではトップとなっている。
6月のヴァーレ社の輸出額は前年同月比48.7%減少の9億4,516万ドル、昨日の1トン当たりの鉄鉱石の国際コモディティ価格は52.1ドルと1年前の96ドルから大幅に減少、2014年初めには135ドルまで上昇していた。
ヴァーレ社は7月の含有量の低い鉄鉱石の生産を2,500万トン減産して含有量の豊富な鉄鉱石生産に切り替えて収益率アップを図るにも関わらず、今年の鉄鉱石生産は予定通り3億4,000万トンを維持、2018年には4億5,000万トンの生産を予定している。
ヴァーレ社並びにペトロブラスに続いて今年上半期の輸出企業3位は穀物メジャーのブンゲ社、続いてカーギル社、農産物加工・販売大手のブラジルADM社、 食肉加工のJBS社、 航空機メーカーのEmbraer社、食肉加工の BRF社が続いている。
今年上半期のブラジルの輸出額は前年同期比14.66%減少の943億2,900万ドル、6月の輸出額は前年同月比4.1%減少の196億2,800万ドルとなっている。(2015年7月22日付けエスタード紙)