メキシコシティを訪問中のジウマ・ロウセフ大統領は、メキシコのエンリケ・ペニャー・ニエト大統領と二国間貿易拡大協定で交渉を継続していくことを確認、農畜産部門やサービス部門、公共事業入札参加などの部門で協定拡大する交渉を継続して行っていくことを確認した。
ジウマ大統領は1991年に設立された南米南部共同市場(メルコスール)は継続していくと強調、また1999年に開始されたヨーロッパ連合との自由貿易協定締結は2004年に中断、2010年に交渉は再開されているにも関わらず、一向に進展していないためブラジルは輸出拡大に向けてメキシコとの貿易協定の拡大を模索している。
太平洋同盟はメキシコ,コロンビア,ペルー及びチリによって構成,メキシコがリーダーとなって加盟国間の経済的統合を目指す組織であり、更にアジア太平洋地域との政治経済関係の強化を目標にしており、メキシコは米国ならびにカナダと北米自由貿易協定(NAFTA)に加盟して貿易拡大を図っている。
現在のブラジルとメキシコの二国間の経済補完協定のもと自動車製品に関する特恵貿易協定によるブラジルの貿易収支は貿易全体の12%に留まっているために、更なる二国間の貿易拡大を積極的にはかる。
ラテンアメリカの経済大国であるブラジル並びにメキシコ間の輸出入はそれぞれの貿易収支の2.0%以下を占めているにすぎず、ブラジルからインドや韓国への輸出はメキシコを上回っている。
2002年に締結された特恵貿易協定は800品目が適用されており、そのうち関税が完全に撤退されているのは358品目、7月から始まる二国間貿易拡大協定では6,000品目に拡大される可能性がある。
メキシコとの貿易収支は2009年まではブラジルの貿易収支が黒字を計上していたが、昨年のメキシコからの輸入は54億ドル、メキシコへの輸出は37億ドル、昨年のブラジルは17億ドルの赤字を計上している。(2015年5月17日付けエスタード紙)