11月のブラジルの貿易収支は23億5,000万ドルの赤字を計上して過去14年間では最大の赤字幅を計上、今年11カ月間の貿易収支赤字は42億2,000万ドルで1998年以降では最大の赤字を記録している。
商工開発省貿易促進担当のロベルト・ダンタス取締役は、今年の貿易収支の黒字予想から貿易収支赤字への修正を余儀なくされており、また経常収支は更なる赤字への修正を余儀なくされている。
2013年の経常収支赤字はGDP比3.62%、今年10月の経常収支赤字はGDP比3.73%に拡大しているが、11月の貿易赤字が23億5,000万ドルを計上したために、今年の経常収支赤字は更に拡大すると予想されている。
11月の貿易収支赤字が拡大した要因として、中国の経済成長率の予想を上回る鈍化並びに鉄鉱石や石油の国際コモディティ価格の下落、インフラ整備向け投資の減少、アルゼンチンの金融危機による輸出の大幅な減少などとなっている。
テンデンシアス・コンスルトリア社のブルーノ・ラヴィエリ氏は今年の貿易収支を17億ドルの赤字と予想、ブラジル貿易会(AEB)では今年の貿易収支赤字を47億ドルと予想している。
11月の輸出は前年同月比25%減少、そのうち完成品輸出は31.7%減少、コモディティ商品輸出は25%減少、半完成品輸出は6.2%減少、11月の輸入は前年同月比5.9%減少したにも関わらず、石油の輸入は31.5%増加している。
11月の貿易総額は前年同月比15.9%減少の336億4,200万ドル、今年の貿易総額は前年比5.7%減少の4,550億ドルが予想されており、過去4年間では最低の貿易総額が予想されている。(2014年12月2日付けエスタード紙)