通商産業開発省(MDIC)の発表によると、9月の貿易収支は、9億3,900万ドルの赤字を計上して1998年の12億ドルの赤字に次ぐ記録となったにも関わらず、MDIC開発省では今年の貿易収支は黒字を計上すると予想している。
今年8カ月間の貿易収支は2億4,900万ドルの黒字を計上していたが、9月は完成品輸出の比率が大きいアルゼンチン向け輸出が大幅に減少、また中国経済の停滞の影響で農産物や鉱物資源の国際コモディティ価格減少の影響がブラジルの貿易収支赤字拡大につながった。
9月のアルゼンチン向け輸出は、アルゼンチンの金融危機による輸入制限措置の影響を受けて、特に自動車並びに自動車パーツ、粗糖、プラスティック製品、タイヤなどの輸出減少で前年同月比39.7%と大幅に減少している。
9月のアルゼンチン向け完成品輸出は前年同月比77%減少したにも関わらず、アルゼンチンからの輸入は7.4%増加したために両国間の貿易収支格差が減少している。
また9月のブラジルの貿易収支が赤字を計上した一因として、石油派生品の輸入が前年同月比46%と大幅に増加、今年9カ月間の石油派生品輸入は、前年同期比0.7%増加して129億ドルの赤字を計上している。
今年9カ月間の鉄鉱石の輸出量は6.9%増加の2億4,930万トンであったにも関わらず、鉄鉱石価格は17%と大幅に減少、ブラジルの鉄鉱石輸出は主に中国、日本、韓国、オランダとなっている。
今年9カ月間の輸出先では中国が346億ドルでトップ、米国は202億ドル、アルゼンチンは110億ドル、オランダは105億ドル、日本は50億ドルとなっている。(2014年10月2日付けエスタード紙)