ブラジル経済の停滞並びにアルゼンチン向け輸出の大幅な減少、原油開発向けプラットフォーム輸出の減少などの要因で、ブラジル貿易会(AEB)では今年の貿易収支黒字は6億3,500万ドルと大幅な下方修正を余儀なくされている。
AEBの昨年末の今年の貿易収支黒字予想は72億2,300万ドルであったが、昨年の貿易収支黒字25億5,800万ドルを75.2%下回る6億3,500万ドルに下方修正、中銀の最終フォーカスレポートによる今年の貿易収支黒字20億ドルを大幅に下回っている。
AEBでは今年の輸出総額を前年比5.8%減少の2,282億ドル、国内経済の悪化に伴って輸入総額は5.0%減少の2,276億ドルと輸出入とも減少すると予想している。
今年の資本財輸入は前年比7.2%減少の479億ドル、6月の機械・装置輸入は製造業部門の売上減少並びに投資減少の影響で、前年同月比17.7%と大幅に減少しているとBarral M Jorge社のWelber Barral氏が指摘している。
昨年は原油開発向けプラットフォーム7基を貿易収支改善のために会計上で輸出額に計上、今年は2基のプラットフォーム輸出で25億ドルの貿易輸出額の計上が予想されている。
AEBではアルゼンチン政府が外貨流出を防ぐために輸入を大幅に制限している影響で、今年のアルゼンチン向け完成品輸出は前年比13.8%減少の802億ドルを予想している。
今年の第一次産品輸出は前年比0.4%減少の1,135億ドルを予想、昨年のトウモロコシ輸出は2,600万トンで1トン当たりの価格は250ドルであったが、今年のトウモロコシ輸出は1,600万トンまで減少、更に1トン当たりの価格は200ドルが予想されている。
昨年の第一次産品輸出は1,130億ドルであったが、今年は1,135億ドルを予想、前記同様に半製品は305億ドル、292億ドル、完成品は931億ドル、802億ドル、その他は55億ドル、53億ドルが予想されている。
また昨年の資本財輸入は516億ドルであったが、今年は479億ドルを予想、前記同様に原材料は1,065億ドル、1024億ドル、消費財は410億ドル、383億ドル、石油派生品は405億ドル、389億ドルが予想されている。(2014年7月16日付けエスタード紙)