中国の鉄鉱石や農産品などの第一産品需要の減少で国際コモディティ価格の減少並びにブラジルの製造業部門の低い競争力は、輸出の減少に結びついて貿易収支を悪化させている。
昨年の貿易収支黒字は25億ドルと過去13年間で最低を記録、昨年末の中銀の2014年の貿易収支黒字は80億ドルが予想されていたにも関わらず、最近の調査では20億ドルに留まると予想されている。
今年初め5カ月間の貿易収支は49億ドルの赤字を計上、通商研究センター(Funcex)の統計によると、5月の過去12カ月間の輸出価格は4.3%減少した一方で、輸出量は4.9%増加している。
鉄鉱石や農産品などの第一産品の国際コモディティ価格の減少に伴って、今年の第一次産品の貿易収支は30億ドルとFuncexのエコノミストのダイアニ・サントス氏は予想している。
ブラジルは米国の大豆輸出が8月から9月に集中するために、コモディティ価格の低下を防ぐ目的でブラジルからの早期の大豆輸出に拍車をかけており、今年の大豆輸出予想4,300万トンの66%をすでに輸出している。
今年の1トン当たりの大豆の国際コモディティ平均価格は505ドルから507ドルで推移すると予想されているが、昨年の大豆の国際コモディティ平均価格は533ドルであった。
ブラジルの工業製品の価格競争力は減少してきているうえに、米最高裁判所がアルゼンチンのデフォルト(債務不履行)した債券の再編に応じなかった投資家らへの支払い命令に対してアルゼンチンの上訴を退け、支払いを命じた連邦高等裁判所の判断を支持、また格付け会社standard&poor's社は、アルゼンチンの外貨建て長期信用格付けをCCC+から CCC-に格下げしているために、今年のアルゼンチン向け完成品の輸出は、大幅に落ち込むと予想されている。(2014年6月24日付けエスタード紙)