為替危機に直面しているアルゼンチン政府は、外貨流出を防ぐため輸入製品に対して事前電子申告(DJAI)を義務付けている影響で、輸入製品の通関に時間を要しており、セーフガードに等しい貿易障害につながって両国の貿易額が急速に減少してきている。
アルゼンチン政府は今後数カ月後に農産物の輸出が開始するまで、できる限り輸入品に対して事前電子申告(DJAI)を義務付けて、外貨の支払いによるドルの減少を遅らせるためにDJAIを採用している。
今月14日に両国政府代表は、ブエノス・アイレス市で両国の貿易の決済にドルを使用しないでローカル通貨での決済の導入で会合を持つが、両国政府の貿易の50%を占める自動車並びに自動車パーツ、機械・装置部門などの大企業に対する支援策についても話し合いを予定している。
ローカル通貨による決済は、ドルの流出以外にも為替コスト削減に結びつき、また中小企業が大半を占める履物などに対する事前電子申告の撤廃などについても話し合う。
2月のブラジルの対アルゼンチン向け貿易収支は、輸送機器並びにタイヤ、エンジン、圧縮機、冷蔵庫などの製品輸出が減少したために前年同月比では9.7%減少の11億6,000万ドル、今年初めの2カ月間のブラジルの輸出は12%減少の23億7,000万ドル、輸入は23%減少している。
ブラジルの自動車輸出の85%はアルゼンチン向け輸出であり、1月から3月までブラジルからの自動車の輸入に対して、主要輸出先であるアルゼンチンが外貨の流出を防ぐために、27.5%減少の輸入規制をかける保護貿易主義をアルゼンチン政府は採用している。
2003年からアルゼンチンの経済回復を牽引してきた自動車業界の2月の自動車生産は、前年同月比0.1%増加の5万2,941台、今年初めの2カ月間の自動車生産は8.1%減少の8万9,097台、ブラジル向け自動車輸出は、3万9,986台と前年同期比で2,816台減少している。
2013年のアルゼンチンの自動車工業会の年初の予想では90万台の生産を計画したにも関わらず、ブラジル向け輸出が不振で僅かに前年比3.5%増加の79万1,000台に留まっていた。(2014年3月11日付けエスタード紙)