ヴァーレ社のムリロ・フェレイラ社長は、ニッケル生産ではロシアのNorilsk社に次いで世界2位に甘んじているが、今年もしくは来年には、ヴァーレが世界トップの座を占めると予想している。
世界トップの鉄鉱石生産のヴァーレ社は、ニッケルの積極的な増産を行っており、昨年のニッケル生産は、前年比44.8%増加の25万2,000トン、売上は57億2,000万ドであった。
ヴァーレ社は、2006年10月に180億ドルを投資してカナダのニッケル生産会社イン コ社を買収、しかしニッケル鉱山が集中するオンタリオ州サドベリー鉱山では、会社側が「労働者が労働条件の大幅削減と雇用不安の増大を受け入れた場合だけ労働協約を更新する」と条件をつけてきて、鉱山労働者3,500人がスト入りしたために、一時的にニッケル生産が減少していた。
ヴァーレは、ブラジルから最大の鉄鉱石市場である中国向けの運搬コストを削減するため、大型ばら積み船の建造を進めているにも関わらず、中国の船主企業はこの計画に対し、船舶供給過剰や業界全体の損失につながるとして反対しており、中国はこれらの船舶の入港を拒否したため、ヴァーレの大型ばら積み船による輸送計画は半年以上遅れていた。(2012年3月13日付けエスタード紙)