Sigma Mineração社は、電気自動車用バッテリーに使用するリチウム鉱開発プロジェクト向け資金として、Société Générale銀行から4,500万ドルの調達に成功した。ミナス州のリチウム開発プロジェクトの投資総額は7,400万ドルが見込まれている。
ミナス州のリチウム鉱山はヴァーレ・ド・ジェキンチーニョニャ(Vale do Jequitinhonha)地域のイチンガ市で、鉱山開発プロジェクトの今年8月から300人の従業員で着手する。Société Générale銀行の4,500万ドルのクレジットは、 green project financeとして世界的パイオニアファンディングとなり、電気自動車向けバッテリー材料では初めてのケースとなる。
Société Générale銀行のクレジット条件として、金利はLiborプラス5%、返済期間は6年で支払い開始猶予は2年。リチウム鉱開発として、環境問題重視であり、鉱滓用ダムの建設が不要で開発用水資源の95%の再利用、重化学製品の不使用、地方自治体の税収並びに雇用増加が見込まれている。
電気自動車(EV)やスマートフォン向け電池の主要原材料であるリチウムをめぐって世界中で争奪戦が展開されており、合わせて世界の約4分の3を産出するリチウム原料大国のオーストラリアとチリがそれぞれリチウムの精製や製造工場の誘致を展開している。ブラジル国内ではリチウム鉱開発でSigma社並びにドイツ資本AMG社が開発プロジェクトを擁している。
2017年のブラジルのリチウム埋蔵量は世界の僅か0.33%であったが、カナダ資本Sigma Lithium Resources社のブラジルの子会社Sigma社のミナス州内の調査進展で、ブラジルのリチウム埋蔵量は世界の8.0%が見込まれている。
ミナス州のリチウム鉱開発プロジェクトの操業開始は2021年12月で年間のリチウム鉱生産は3万3,000トン、2025年の世界の年間のリチウム鉱生産は65万トンが見込まれている。