2017年のブラジル国内のセメント消費は、景気回復の遅れで前年比5.0%~7.0%減少すると13セメントメーカーが加盟する全国セメント工業組合(SNIC)のパウロ・カミーロ・ペーナ会長は、悲観的な予想をしている。
過去2年間のブラジル国内のセメント消費は、ラヴァ・ジャット作戦汚職問題によるインフラ整備プロジェクト先送りや住宅ブーム終焉などの要因で、19.3%減少して過去10年間では初めて2か年連続で前年割れを記録、2015年~2017年の3か年は更に悪化するとペーナ会長は予想している。
2016年のブラジル国内のセメント販売は前年比11.7%減少の5,723万8,000トン、2015年のセメント販売は前年比9.5%減少、2017年のセメント販売は前年比12.0%~14.0%の大幅な減少が予想されている。
2016年のセメント消費は前年比11.9%減少の5,760万トン、昨年12月は5.3%減少の432万2,000トン、1日当たりの販売は11.1%減少の17万6,400トンと大幅に落ち込んでいる。
2004年~2014年のブラジルの国内セメント業界は、インフラ整備を中心とした公共投資や住宅ブームなど国内景気に牽引されて順調に推移して、2014年のセメント消費は7,080万トンに達していた。
2015年末のブラジル国内のセメント業界の生産能力は9,300万トン、2016年の生産能力は1億トンを突破、2017年は操業停止していた3工場で生産を再開するため更にセメントの生産能力が上昇すると予想されている。(2017年1月17日付けヴァロール紙)