資源大手ヴァーレ社では、パラー州カラジャス鉱山のS11Dプロジェクトの投資総額を昨年末よりも20億ドル削減した144億ドルの下方修正を余儀なくされている。
パラー州カラジャス鉱山のS11Dプロジェクトの初期投資総額は197億ドルであったが、鉄鉱石の国際コモディティ価格減少や中国経済低迷で鉄鉱石需要が大幅に減少、またドル高の為替などの要因で投資総額の下方修正を余儀なくされている。
世界的な鉄鉱石の国際コモディティ価格減少にも関わらず、ヴァーレ社S11Dプロジェクトの鉄鉱石含有量は66.7%と世界最高であり、中国と近距離にあるオーストラリア間の輸送費コストで優位に立っているオーストラリア企業に対抗できる。
パラー州カラジャス鉱山の1トン当たりの鉄鉱石の輸出港湾ターミナルの生産コストは、操業開始時に僅かに10ドルまで減少して世界最低のコストになると見込まれている。
投資総額144億ドルのうち79億ドルは鉄鉱石運搬向けのロジステジック部門に向けられ、マラニョン州サン・ルイス港までのカラジャス鉄道の複線化の完成で2018年までには2億3,000万トンの輸送が可能となる。
また65億ドルはS11Dプロジェクトの鉄鉱石生産向けで年間9,000万トンの増産につながり、S11Dプロジェクトは2016年下半期の生産開始予定、30年間に亘って年間9,000万トンの生産が継続すると見込まれている。(2015年11月5日付けエスタード紙)