投資総額が約60億ドルに達するアルゼンチンのメンドーサ州リオ・コロラドのカリウム鉱山開発プロジェクトをアルゼンチン政府が継続を要請しているにも関わらず、ヴァーレ社は、鉄鉱石価格の下落の影響で非常に大きな評価損を計上したことから、支出抑制のためこのプロジェクトの中止を発表した。
アルゼンチンのジューリオ・デ・ヴィド企画相は、ヴァーレ社がカリウム鉱山の開発を継続しなければ、アルゼンチン政府は、このカリウム鉱山コンセッションを接収すると警告している。
ヴァーレ社は、このカリウム鉱山開発プロジェクトを売り渡す可能性を否定していないにも関わらず、アルゼンチン政府が介入する可能性があるためにプロジェクトの売買は非常に難しいと見込まれており、またブラジル政府は、ヴァーレ社とアルゼンチン政府との交渉には介入をしないと表明している。
リオ・コロラドのカリウム鉱山開発プロジェクトの当初の予算は59億ドル、しかし今では110億ドルに達しているとゴールドマン・サックスのマルセロ・アギアールは見積もっており、ヴァーレ社の損害は30億ドルに達すると予想している。
年間430万トンのカリウム鉱山開発には、すでに22億ドルが投資されているにも関わらず、アルゼンチ ンの実際のインフレ率は政府発表を大きく上回っており、貧弱なインフラ並びに現地通貨安、鉄鉱石の国際コモディティ価格の下落などの要因で、開発コストが上昇してきているために、プロジェクトの中止の発表を余儀なくされていた。(2013年3月14日付けエスタード紙)。