今年初め4カ月間の大サンパウロ圏の2寝室付きの住宅価格は前年同期比42.9%と高騰、3寝室は27%、4寝室は27.5%とそれぞれ大幅に上昇して、不動産バブルの様相が強まってきている。
今年初めの4カ月間の投資の収益率は前年同期比で銀行間預金証(CDI)は9.2%、ポウパンサ預金6.7%とそれぞれ増加、金はマイナス6.8%、商業ドルはマイナス23.8%と不動産投資と比較して収益性が非常に低いために、不動産投資に資金が流れていることも住宅価格の高騰に拍車をかけている。
サンパウロ市内の新規高層ビル規制や大手不動産会社が新規株式公開(IPO)で資金を調達して、大型コンドミニアム用の住宅用地の買収による土地価格の高騰も住宅価格を押し上げる要因となっている。
また国内経済の好調、実質賃金の増加、住宅購入向け長期クレジットの拡大などが住宅購入ブームに拍車をかけており、サンパウロ州大型建設業組合(Sinduscon)では今年の勤続期間保障基金(FGTS)並びにポウパンサ預金の住宅購入向けクレジット総額は700億レアルに達すると見込んでいる。
借家改正法案が成立したために90日間以内に借り主に明渡さなければならなくなったことで、今までは不動産投資に二の足を踏んでいた投資家が物件を購入していることも住宅価格の高騰を招いている。
Sindusconのセルジオ・ワタナベ会長は需要が供給を大幅に上回っているために、今後数カ年は更に住宅価格は上昇、その後は安定すると不動産バブルを否定している。(2010年6月18日付けエスタード紙)