過去最低の6.5%を継続している政策誘導金利(Selic)やコントロールされているインフレ、緩やかな経済回復に伴って、過去3年以上低迷していた不動産業界に活気が戻ってきている。
しかし大半の大手不動産開発会社は、高金利による負債増加やラヴァ・ジャット汚職事件などの影響を受けて、会社更生法適用されている大手不動産会社を多く、中規模不動産開発会社にとっては、販売拡大のチャンスとなっている。
不動産デベロッパーVitacon社のAlexandre Frankel社長は、今年の住宅販売総額(VGV)を23億レアルと前年比87%増加を見込んでおり、高級マンション販売の最大手不動産デベロッパーCyrela社の昨年の住宅販売総額の50%に相当する売り上げを見込んでいる。
また中規模不動産デベロッパーYou社の元Even社パートナーのAbrão Muszkat社長は、今年の住宅販売総額(VGV)を8億レアル~9億レアルと昨年の5億レアルの70%前後増加を見込んでおり、ピニェイロス地区にツインタワーを建設、テナントとしてレストラン、レジデンス、ホテル、診療所の入居が予定されている。
You社では2021年に新規株式公開(IPO)で莫大な資金調達を予定している。また中規模不動産デベロッパーSetin社は、今年の住宅販売総額(VGV)を6億5,000万レアルと昨年の5億レアルを30%上回る販売計画を立てているが、2020年には10億レアルと強気な売上を見込んでいる。
またSetin社はアマゾナス州に本社を置くCapital社と共同でMundo Apto社を設立、過去数年間最も拡大した大衆住宅建設プログラム“私の家、私の暮らし”(MCMV)にターゲットを当てた低所得層の住宅販売を拡大する。
ブラジル建設工業会議所(Cbic)のジョゼ・カルロス・マルティンス会長は、今年の中級並びに高級住宅販売リリース軒数及び販売額は、前年比20%~30%増加を予想している。
Itau BBA社住宅部門アナリストのエンリコ・トロッタ氏は、中級並びに高級住宅購入向け銀行金利は9.0%と一桁台まで減少、また住宅在庫も過去最低水準まで低下していると指摘している。(2019年3月21日付けエスタード紙)