ブラジル国内20都市の広告に掲載された販売価格を基準にまとめられる1平方メートル当たりの不動産価格動向を取り扱う「FipeZap」によると、3年弱続いた経済リセッション並びに失業率増加、実質賃金減少、住宅ローン向けクレジット縮小などの要因で、住宅ブーム終焉で過去3年半以上に亘って住宅価格の減少が継続している。
2018年の経済回復も予想を下回っているために、一般消費者はこれ以上の負債を避けるために住宅購入を控えており、過去3年半にわたってインフレ指数を差引いた実質住宅価格は18.0%と大幅下落している。
2014年からの経済リセッションに伴って、2015年1月の住宅価格が50万レアルであった住宅は、今年8月には18.2%減少の40万8,800レアルまで下落。今年初め8か月間の実質住宅価格は、不透明な大統領選挙が拍車をかけて3.14%減少している。
2014年~2015年にかけての新築住宅販売のうち返済不能による新築住宅返済率は、41.0%に達していたと不動産業界に新規参入したFitch社の不動産部門責任者は指摘している。
経済リセッション前は、住宅ブームの影響で住宅価格は高止まりしていたものの、今では7.0%~10.0%の値引き販売を余儀なくされていると大手不動産会社Lello社のイゴール・フレイレ取締役は説明している。
過去数カ月間のサンパウロ市内で販売した住宅150軒の平均割引率は9.0%、高級住宅の平均割引率は15.0%に達すると大手不動産会社Lopes社のマテウス・ファブリシオ専務は説明している。
今年8月の大都市の1平方メートル当たりの平均住宅価格比較では、リオ市は9,494レアルで最高価格、サンパウロ市8,796レアル、ブラジリア市7,788レアル、リオ州ニテロイ市7,122レアル、フロリアノポリス市6,825レアルとなっている。
前記同様にミナス州都ベロ・オリゾンテ市は6,405レアル、サンパウロ州サン・カエターノ・ド・スール市6,043レアル、レシーフェ市5,925レアル、フォルタレーザ市5,843レアル、エスピリット・サント州都のヴィトリア市は5,777レアルとなっている。(2018年9月5日付けエスタード紙)