連邦貯蓄金庫並びにブラデスコ銀行、イタウー銀行、サンタンデール銀行、ブラジル銀行で構成される5大銀行の住宅やアパート購入クレジットの延滞率増加に伴って、差し押さえ物件は7万軒に達している。
2014年以降の5大銀行の住宅・アパート購入クレジットの支払遅延による差し押さえ物件は、3年近く継続した経済リセッションによる失業率の増加に伴って、745%増加の7万軒まで増加、差し押さえ物件総額115億レアルに達している。
2014年~2017年の5大銀行の住宅・アパート購入クレジットの年間平均の支払遅延総額は20億レアル、今年上半期は連邦貯蓄金庫の差し押さえ物件増加が牽引して、既に14億8,000万レアルに達している。
連邦貯蓄金庫の差し押さえ物件は5大銀行の70%を占めており、今年6月末の差し押さえ物件は、4万7,000軒で総額91億レアルに達しているが、昨年の差し押さえ物件残2万3,000軒の2倍以上に達している。
2014年以降のブラデスコ銀行並びにイタウー銀行、サンタンデール銀行の3行の年間平均差し押さえ物件総額は10億レアルで推移していたが、ブラジル銀行は1億1,600万レアルに留まっている。
連邦貯蓄金庫の今年6月末の差し押さえ物件残高は91億1,000万レアル、2017年の差し押さえ物件残高は前年比38.2%増加、2012年以降では1,077%増加している。
前記同様にブラデスコ銀行の差し押さえ物件残高は15億6,000万レアル、マイナス2.1%、359%増加、サンタンデール銀行は15億1,000万レアル、11.3%増加、682%増加している。
またイタウー銀行の差し押さえ物件残高は13億3,000万レアル、35.9%増加、724%増加、ブラジル銀行は2億4,000万レアル、138.2%増加、52%増加を記録している。
銀行にとって住宅・アパート購入クレジット不渡りによる差し押さえ物件の値下がりが最大のリスクになるとジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)大学のRafael Schiozer教授は説明している。
通常銀行は住宅・アパート購入クレジットの支払遅延による差し押さえ期間として6カ月間から1年間の猶予を見込んでいるが、各銀行では、住宅価格の高い物件の差し押さえ期間の短縮を図っている。
サンパウロ州並びにリオ州、ミナス州、ブラジリア市の不動産金融システム(SFI)利用の95万レアル以上、その他の州は80万レアル以上の住宅購入クレジットによる差し押さえ物件は90日間以内に競売にかけられるが、住宅金融システム(SFH)を通した住宅購入クレジットによる差し押さえ物件の競売は数カ月を要している。
中銀の統計によると、住宅購入クレジットの平均延滞率は2.0%前後で推移していたが、経済リセッションに伴う失業率の増加に伴って増加傾向となっている。(2018年8月27日付けエスタード紙)