昨年10月の政策誘導金利(Selic)14.25% から継続して引き下げ7.50%に達した影響による住宅ローン金利の下落、経済リセッションからの景気回復による一般消費者の景況感改善で、住宅業界に漸く活気が出てきている。
不動産業界の企業が加盟するサンパウロ不動産関連業者組合(Secovi-SP)の発表によると、今年初め8カ月間のサンパウロ市内の新築住宅販売軒数は、前年同期比20.8%増加の1万991軒を記録している。
また今年初め8カ月間のブラジル国内の新築住宅販売軒数は、前年同期比25.5%増加の4万5,267軒に達しているとブラジル不動産・建設業者組合(Abrainc)の調査で判明している。
サンパウロ不動産関連業者組合チーフエコノミストのセルソ・ペトルッティ氏は、建設不動産業界は金利減少や住宅クレジットの拡大に伴って、緩やかなカーブを描きながら上昇してきていると説明している。
10月25日に開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)で、8.25%の政策誘導金利 (Selic)を0.75%引き下げて7.50%に決定、2013年4月と同じSelic金利まで低下している。
Selic金利が1.0%切り下がるごとに、住宅購入希望者の月収枠が6.0%~8.0%低下して購入しやすくなるとブラデスコ銀行エコノミストのダニエラ・リマ氏は説明している。
就労・失業者管理センター(Caged)の統計によると、今年初め8か月間の建設業界の雇用は、2万8,100人減少しているにも関わらず、今年9月の建設業界の雇用は380人増加している。
新規住宅価格が20万レアル並びに返済期間が30年の条件下でSelic金利が12.0%の場合の月々のローン返済額は2,556レアル、仮にSelic金利が11.0%に下がった場合は2,389レアル、10%では2,222レアル、7.0%まで減少した場合は1,722レアルと非常に購入しやすくなる。
また前記同様に新規住宅価格が20万レアル並びに返済期間が30年の条件でSelic金利が12.0%の場合では485万世帯しか購入できないが、Selic金利が8.0%まで下がれば812万世帯、7.0%まで下がれば931万世帯が購入可能となる。
ブラジル貯蓄・不動産信用機関協会(Abecip)の発表によると、今年9月の新築住宅購入並びに住宅建設向けクレジット総額は、前年同月比8.2%増加の34億1,000万レアルに達した影響で、17.8%増加の1万4,400軒が住宅クレジットの提供を受けている。(2017年11月7日付けエスタード紙)