ブラジル国内20都市の広告に掲載された販売価格を基準にまとめられる1平方メートル当たりの不動産価格動向を取り扱う「FipeZap」によると、2年近く続く経済リセッション並びに失業率増加、実質賃金減少、住宅ローン縮小などの要因で、インフレ指数を差引いた実質住宅価格は3年連続で減少すると予想している。
インフレ指数を差引いた実質住宅価格は2017年第3四半期まで継続して停滞すると予想、今年の最終四半期から新築住宅販売件数増加に伴って、住宅価格が上昇すると「FipeZap」社のEduardo Schaeffer社長は予想している。
昨年の20都市の広告に掲載された販売価格を基準にまとめられる1平方メートル当たりの不動産価格は前年比0.57%増加の7,662レアル、中銀の最終フォーカスレポートによる昨年のインフレ指数6.4%を5.48%下回っている。
2016年の1平方メートル当たりの名目住宅価格調査では、平均価格は7,662レアル、リオ市は2.08%減少、ブラジリア市は1.15%減少、ニテロイ市は1.76%減少、ゴイアニア市は2.67%減少している。
2016年12月の1平方メートル当たりの名目住宅価格は0.13%増加、しかしインフレ指数は0.41%増加したため大半の実質住宅価格は減少、唯一ミナス州ベロ・オリゾンテ市の名目住宅価格は、0.99%増加したために実質住宅価格の上昇を記録している。
昨年の20都市の広告に掲載された販売価格を基準にまとめられる1平方メートル当たりの不動産価格比較では、リオ市は1万214レアルでトップ、サンパウロ市は8,641レアル、ブラジリア市は8,497レアルを記録している。
新築住宅販売は一般消費者の景況感の改善、住宅ローンの拡大並びに所得増加に左右されるが、すでに中銀では政策誘導金利(Selic)の引き下げサイクル入りを明確にしていることも2017年下半期からの新築住宅の販売に追い風要因となっていると「FipeZap」社のEduardo Schaeffer社長は説明している。
住宅賃貸市場では過去2年間にわたって賃貸住宅やテナント代が値下がりしているが、今年下半期から値上げサイクルに転換するとVivaReal社のルッカス・ヴァルガス社長は予想している。(2017年1月4日付けヴァロール紙)