ブラジル貯蓄・不動産信用機関協会(Abecip)の発表によると、今年の新築住宅購入並びに住宅建設向けクレジット枠は、前年比20.6%減少の600億レアルに留まると予想している。
回復の見通しがたたない経済リセション、景況感悪化並びに失業者増加による住宅需要の停滞、住宅購入向けクレジット縮小などの要因で、2016年の新築住宅販売は昨年同様に低調に推移するとAbecip協会のジルベルト・ドアルテ会長は予想している。
昨年の住宅向けクレジットは前年比33%減少の756億レアル、住宅向けクレジットが適用された物件は前年比36.6%減少の34万1,500軒に留まって、住宅ブームの終焉が明らかになってきている。
失業率増加や実質賃金減少、高止まりする銀行金利、住宅購入向けクレジット縮小、一般消費者の景況感悪化に伴う高額商品の購入減少などの要因で、今年の新規住宅販売は昨年を大幅に下回ると予想されている。
しかし昨年12月の住宅向けクレジットは前月比16.5%増加の48億レアルと4カ月連続の前月比減少から一転して増加したにも関わらず、過去12か月間では55.2%と半減していた。
昨年の90日以上の住宅向けクレジットの延滞率は1.9%と前年の1.4%から増加、銀行側にとって1.9%の延滞率は危惧する水準に至っていないにも関わらず、延滞率の抑制措置を講じると予想されている。(2016年1月27日付けエスタード紙)