不動産業界の企業が加盟するサンパウロ不動産関連業者組合(Secovi-SP)の発表によると、9月のサンパウロ市内の新築住宅販売は、前年同月比50.1%減少の1,392軒に留まっている。
9月のサンパウロ市内の新築住宅販売は前年同月比50.1%減少と下落した要因として、昨年のワールドカップ開催中の新築住宅販売減少の影響で9月から年末にかけて新築住宅販売が2,787軒と大幅に増加していた。
しかし今年初め9か月間の新築住宅販売は前年同期比4.7%減少の1万3,698軒と統計を取り始めた2004年以降では最低の販売件数を記録、また前月比でも13.3%と大幅に減少して経済リセッションの影響による住宅ブーム衰退が明らかとなっている。
2013年末まではブラジル全土で住宅ブームを謳歌していたにも関わらず、昨年から経済停滞の影響を受けて新築住宅販売は不振に陥っているとサンパウロ不動産関連業者組合チーフエコノミストのセルソ・ペトルシ氏は説明している。
ブラジル資産調査会社(Embraesp)の発表によると、9月のサンパウロ市内の新築住宅販売リリース軒数は前年同月比74.3%減少の1,057軒、前月比でも39.9%減少、今年初め9か月間でも過去最低並みのリリース軒数を記録している。
またブラジル貯蓄・不動産信用機関協会(Abecip)の発表によると、今年初め9か月間の新築住宅購入向けクレジット枠は、前年同期比25.3%減少の620億レアルに留まっている。
ブラジルは未だに経済リセッションからの脱出の見通しが不透明で失業率の増加や住宅セクターを含むすべての製造部門やサービス部門の景況感悪化で、新築住宅購入を控える傾向に陥っていると経済調査財団(Fipe)の調査員Eduardo Zylberstajn氏は説明している。
また新築住宅購入向けクレジット供給は主にポウパンサ預金に依存しているにも関わらず、今年はすでに570億レアルのポウパンサ預金が引き出されており、住宅クレジット供給に支障をきたしている。(2015年11月11日付けエスタード紙)