先月末にネルソン・バルボーザ企画予算相が提出した2016年度連邦予算案では歳入減の影響で国内総生産(GDP)の0.5%にあたる305億レアルの基礎的財政収支(プライマリーバランス)赤字を見込んでいるために、連邦政府は各省庁の大型予算カットを実施すると予想されている。
ジウマ大統領が経済成長牽引の旗手的政策として、大統領選を征してきた低所得者層対象の大衆住宅建設プログラム“私の家、私の暮らし”向けフェーズ3向け予算のカットが余儀なくされている。
2016年の財政プライマリー収支の305億レアルの赤字予想の影響で、大衆住宅建設プログラム“私の家、私の暮らし”向けフェーズ3向け予算は156億レアルの削減が予想されている。
大衆住宅建設プログラム“私の家、私の暮らし”では、2018年までに300万軒の建設が予定されていたにも関わらず、今年並びに来年の予算カットですでに契約済みの100万軒の建設費用のみに充てられる。
今年上半期の大衆住宅建設は35万軒が予定されていたにも関わらず、8月12日までに建設されたのは24万5,600軒に留まっており、2009年に開始された大衆住宅建設プログラム“私の家、私の暮らし”向け支出総額はすでに2,700億レアルに達している。
大衆住宅建設プログラムの予算は39省庁間でも最大の歳出につながっているために、各省庁からの抵抗にも関わらず、財政プライマリー収支黒字を目指しているジョアキン・レヴィ財務相は最大限の予算カットを指示している。(2015年9月9日付けエスタード紙)