ユーカリを原料とした短繊維パルプは、長繊維パルプに比べて非常の価格が安いために、世界市場では需要拡大の一途を続けているとスザノ製紙のWalter Schalka社長は説明している。
世界最大のユーカリを原料とした短繊維パルプ生産メーカーのスザノ製紙のWalter Schalka社長は、松、杉、モミ並びにツガなど針葉樹を原料とした繊維が長く、丈夫なパルプが生産できる長繊維パルプは、成長が遅く生育地域が限定され価格が非常に高い。
一方成長が非常に早いユーカリを原材料とする短繊維パルプは、伐採後、数回にわたって再生可能で、高い吸水性と保水性に優れて価格が長繊維に比べて非常の安い。
ブラジルは気候に恵まれて針葉、広葉樹林とも成長が早いためにパルプ生産では非常に競争力があり、北米での針葉樹林のパルプ生産は15年から18年かかる一方でブラジルでは6年で生産が可能、1トン当たりの生産コストは、僅か100ドル強で世界トップレベルとなっている。
ヨーロッパでの1トン当たりのユーカリを原料とした短繊維パルプ価格は820ドル、中国向け短繊維価格は600ドルに設定しているとスザノ製紙は説明している。
南マット・グロッソ州リバス・ド・リオプラッド工場のジュバルテプロジェクトでは、年間の短繊維パルプ生産能力を220万トン~250万トンに引き上げる。
資金使途を特定の再エネ事業等の環境改善を対象とするESG(環境、社会、統治)向け15億7,000万ドルの資金調達オペレーションを同社の財務・投資家情報担当ディレクターのマルセロ・バッチ氏は説明している。