ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業部門生産調査(PIM-PF)によると、2020年11月の鉱工業部門生産は前月比1.2%増加を記録、昨年5月から7か月間連続して前月比では増加を記録している。
しかし昨年5月~11月の7ヶ月間の鉱工業部門生産は、40.7%増加を記録した一方で、COVID-19パンデミックによる外出自粛や生産停止を余儀なくされた昨年3月及び4月の僅か2か月間の鉱工業部門生産は、マイナス27.1%を記録していた経緯があった。昨年11月の鉱工業部門生産は、COVID-19パンデミック前の2月よりも2.6%増加に留まっている。
2011年11月の鉱工業部門生産レベルは、5月から7ヶ月連続で前月比増加を記録したにも関わらず、生産ピーク時の2011年5月の生産水準よりもマイナス13.9%に留まっている。2020年11月の鉱工業部門生産は、前年同月比2.8%増加している一方で、昨年初め11か月間はマイナス5.5%、過去12か月間ではマイナス5.2%を記録している。
昨年11月の鉱工業部門生産は前月比1.2%増加したが、調査対象の26セクターのうち17セクターは、増加を記録した一方で、9セクターは減少を記録している。
2020年11月の鉱工業部門生産は前月比1.2%増加、前年同月比2.8%増加、昨年初め11か月間の累計はマイナス5.5%、昨年11月の過去12か月間の累計はマイナス5.2%を記録している。
鉱工業部門のセクター別生産では、資本財セクターは前月比7.4%増加、前年同月比12.8%増加、昨年初め11か月間の累計はマイナス13.1%、昨年11月の過去12か月間の累計はマイナス12.6%を記録。前期同様に中間財セクターは0.1%増加、3.6%増加、マイナス1.8%、マイナス1.9%であった。
また消費財セクターは2.1%増加、マイナス0.1%、マイナス9.9%、マイナス9.1%、そのうち耐久消費財セクターは6.2%増加、2.7%増加、マイナス22.0%、マイナス20.5%。また非耐久消費財セクターは1.5%増加、マイナス0.9%、マイナス6.5%、マイナス5.9%であった。
また2020年11月の自動車セクター生産は、7ヶ月連続で前月比増加を記録、11月の自動車・トラック・輸送関連車両は前月比11.1%増加、7か月間では1203.2%増加を記録したにも拘らず、2月の水準を僅か0.7%増加に留まっている。
2020年11月の自動車セクター生産の前月比11.1%増加以外にもポジティブに作用したのは、その他の化学製品セクターは5.9%増加、衣類・アクセサリーセクターは11.3%増加している。
前期同様に機械・装置セクターは4.1%増加、印刷・録音再生セクターは42.9%、皮革・履物・旅行用品セクターは7.9%、飲料セクター3.1%、金属製品セクター3.0%、その他の輸送機器セクター12.8%並びに金属セクターは1.6%それぞれ前月比増加を記録している。
一方昨年11月の鉱工業部門生産で前月比マイナスを記録したのは、食品セクターはマイナス3.1%、10月並びに11月の2か月間累計ではマイナス5.9%であったが、9月~11月の3ヶ月間累計では4.0%増加を記録している。
また11月の鉱業セクターはマイナス2.4%であったが、9月~11月の3ヶ月間累計でマイナス10.4%と二桁台の大幅なマイナスを記録している。前期同様に医療化学品・医薬品セクターはマイナス9.8%を記録したが、9月並びに10月の2か月間の累計では10.8%増加を記録していた。