中銀の発表によると、2020年11月の連邦政府の経常収支は、2億200万ドルの黒字を計上したにも関わらず、中銀が予想していた10億ドルの黒字には程遠い黒字幅に留まった。
しかし今年11月の2億200万ドルの経常収支黒字は、11月としては2006年以降では最大の黒字を計上、昨年11月の経常収支は31億600万ドルのおおはばな赤字を計上していた。
今年初め11か月間のブラジルの経常収支は、75億200万ドルの赤字を計上しているにも関わらず、昨年同期の464億500万ドルの赤字の20%以下に留まっている。
今年11月の過去12か月間の経常収支は、GDP比0.82%に相当する121億5,400万ドルの赤字であったが、赤字幅は2008年3月以降では、最低の赤字幅に留まっていると中銀統計課のFernando Rochaチーフは説明している。今年10月の過去12か月間の経常収支はGDP比1.02%の赤字を計上していた。
また中銀の発表では、今年11月の海外投資家による直接投資総額は、15億1,400万ドルと11月としては2005年以降では最低の直接投資総額に留まったものの予想の10億ドルを大幅に上回っていた。昨年11月は87億3,400万ドルを記録していた。
今年初め11か月間の累計直接投資総額は、3月から始まったCOVID-19パンデミックの影響が響いて334億2,800万ドルに留まり、昨年同期の663億5,000万ドルの半分に留まっている。
今年11月の過去12か月間の対内直接投資は、GDP比2.44%に相当する362億5,300万ドルに対して、今年10月はGDP比2.86%から大幅に減少している。しかし今年11月の過去12か月間の経常収支赤字のGDP比0.82%をカバーするには充分過ぎる対内直接投資が流入したが、2009年2月以降では最低の対内直接投資額となっている。
今年11月のブラジル人による海外旅行の支出は、COVID-19パンデミック対応の国境封鎖、海外渡航禁止などの影響で3億2,900万ドルに留まり、昨年同月の12億4,700万ドルの20%強に留まっている。
一方外国人による今年11月のブラジル国内での支出は、1億8,500万ドルと昨年同月の4億5,600万ドルの3分の1以下に留まって、11月の旅行収支は1億4,400万ドルの赤字を計上したが、昨年11月の7億9,200万ドルの赤字から大幅に減少している。
今年11月の開始系企業による本国への利益・配当金送金は、1億5,700万ドルと昨年11月の28億2,900万ドルから半減、今年初め11か月間では、166億5,000万ドルと昨年同期の290億90万ドルから半減近い減少を記録している。