中国資本Shandpong Kerui社とブラジル資本Metodo Potencial Engenharia社のジョイントベンチャー企業Kerui Metodo Construção e Montagem社は、ペトロブラス石油公社の2006年に建設開始されたプレソルト鉱区で生産される天然ガス精製を目的としたリオ州リオ石油製油所コンビナート(Comperj)内の液化天然ガスプラント(UPGN)を受注した。
中国資本Shandpong Kerui社は、ジョイントベンチャー企業Kerui Metodo Construção e Montagem社の51%の株式を所有、ブラジル資本Metodo Potencial Engenharia社は49%の株式を所有している。
Kerui Metodo Construção e Montagem社は、液化天然ガスプラント(UPGN)建設で地元のItaborai市の従業員2,000人の直接雇用を見込んでおり、投資総額は、19億4000万レアルで建設期間は40カ月が見込まれている。
中国資本Shandpong Kerui社は2015年にブラジルに事務所設立、石油・天然ガス開発向け装置・機器並びにプラント向けサービスを提供、ブラジル資本との提携で設立したKerui Metodo Construção e Montagem社は、ブラジル進出の名刺代わりとなる。同社は世界57カ国で事業を展開、売上は15億ドルに達している。
中国資本Shandpong Kerui社は、設計(Engineering)・調達(Procurement)・工事(Construction)を一括請負するエンジニアリング会社であり、リオ石油製油所コンビナート(Comperj)の液化天然ガスプラント(UPGN)の建設は、同社の装置・機器並びにプラント向けサービスのショーウインドになると期待されている。
2014年3月に発覚した連邦警察のペトロブラス石油公社関連ラヴァ・ジャット作戦汚職問題による公共事業プロジェクト停止や新規インフラ事業取消などの影響で、ブラジルの大半のゼネコン大手企業が資金調達や負債増加に直面して人員削減を余儀なくされていた。
また社会経済開発銀行(BNDES)は、ラヴァ・ジャット作戦汚職問題関連のゼネコン大手企業のインフラ整備事業融資の不渡りを避けるために全面的に凍結しており、また多くのゼネコン大手は相次ぐ経営陣幹部の逮捕者続出、コンセッション入札参加禁止、米国格付け会社によるゼネコン企業の格下げ、株価の大幅下落で企業再生法の申請を余儀なくされていた。
ラヴァ・ジャット作戦汚職問題発覚前には、ペトロブラス向け液化天然ガスプラント(UPGN)の工事請負は、限られた大手ゼネコンだけであったが、中小規模のMetodo Potencial Engenharia社にとってチャンスが巡ってきている。
ブラジルの1日当たりの液化天然ガスの処理能力は9,500万立方メートル、このプラントが完成すれば更に2,100万立方メートル増産が可能となり、プレソルト油田の1日当たりの液化天然ガスの処理能力は、現在の2,300万立方メートルから4,400万立方メートルに増産が可能となる。(2018年4月11日付けヴァロール紙)