2014年3月に発覚した連邦警察のペトロブラス石油公社関連ラヴァ・ジャット作戦汚職問題などで、大手ゼネコン企業幹部の逮捕が相次いで企業イメージが悪化、連邦政府によるインフラコンセッション入札参加が禁止されている影響で、ゼネコン各社の資金調達が困難を極めており、ゼネコン企業の淘汰が進んでいる。
社会経済開発銀行(BNDES)は、ラヴァ・ジャット作戦汚職問題関連のゼネコン大手企業のインフラ整備事業融資の不渡りを避けるために全面的に凍結、また米国格付け会社によるゼネコン企業の格下げ、株価の大幅下落で企業再生法の申請を余儀なくされていた。
現在のオデブレヒト社のインフラ整備工事の契約残高は、僅かに150億レアルとラヴァ・ジャット作戦汚職問題が発覚した2014年末の50%以下に落ち込んでおり、またブラジル国内の深刻な経済リセッションも経営不振に拍車をかけていた。
2014年のアンドラーデ・グッチエレス社の直接雇用による従業員総数は4万4,000人を擁していたが、今では僅かに7,000人まで減少、ケイロース・ガルボン社のインフラ整備工事契約残高は僅かに35億レアルまで減少している。
ラヴァ・ジャット作戦汚職問題による連邦政府の公共事業入札参加禁止以外にも、経済リセッションや連邦政府の財政再建政策の影響で、今年9月の建設業界の雇用は2014年9月よりも39%減少に相当する43万3,000人減少して、過去10年間で最低となっている。
建設業界の住宅投資並びに設備投資、公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)は全体の25%に相当するために、インフラ投資再開による建設業界の活性化が急務であると450社が加盟する全国大規模建設工業組合(Sinicon)代表は強調している。
2014年の経済成長加速プログラム(PAC)のインフレ向け投資総額は700億レアルに達していたが、ラヴァ・ジャット汚職問題発覚及び経済リセッションで、公共事業は軒並み中止に追い込まれていた。
ミッシェル・テーメル大統領は、2016年9月にジウマ元大統領の経済成長加速プログラム(PAC)に替わるインフラ事業の更なる民営化を目的とした投資パートナーシッププログラム(PPI-Programa de Parcerias de Investimentos)を発表した。
しかし、継続する経済リセッションや今年5月にテーメル大統領の進退問題の発端となっているJBS社共同経営者のジョエズレイ・バチスタ氏が盗聴した汚職問題テープ発覚の影響で、インフラ整備プロジェクトが完全に停滞しており、再発表したAvançarプログラムによるインフラ投資計画は僅か250億レアルに留まっている。
今年上半期の連邦公社による公共事業向け投資は、今年の予算の25.8%に相当する236億レアルに留まって2000年以降では最低のインフレ向け公共投資しか行われていない。
オデブレヒト社の受注残高の68%は連邦政府や地方政府による公共投資向け発注であり、アンドラーデ・グッチエレス社では71.1%、ケイロース・ガルボン社では90%を占めている。(2017年11月22日付けヴァロール紙)