ジウマ・ロウセフ大統領からペトロブラス石油公社の総裁に任命されたマリア・ダス・グラッサス・フォスター女史は、ペルナンブッコ州スアペ港に本社を構えるアトランチコ・スール造船(EAS)の経営権について、主要株主と交渉している。
ペトロブラス傘下のトランスペトロ社は、EAS社に総額70億レアルに達する岩塩層下(プレソルト)原油開発用の掘削リグ22基を発注したにも関わらず、僅かに4基しか納入されていない。
掘削リグの納入遅れなどの要因で、ペトロブラスの石油生産が消費に追い付いていないために、ジウマ大統領は、開発ノウハウの提供で資本参加しているサムスン重工に経営権を与えて、開発を急がす計画に変更した。
しかしゼネコン大手でEAS社の大株主であるカマルゴ・コレア社並びにケイロース・ガルボン社、6%の資本参加で4位のPPJRM社などは、サムスン重工が経営権を握ることに反対している。
EAS社の造船能力は年間16万トンの鋼材の加工しかできないが、世界トップレベルの造船技術を擁するサムスン重工は、4倍に相当する60万トンの加工処理能力を擁している。大株主のコレア社やガルボン社は、サムスン重工の資本参加比率の上昇に伴って、自社の資本参加比率が低下するために、いまだに賛同していない。(2012年3月5日付けヴァロール紙)