ヴェーレ社とペトロブラス石油公社は北部エスピリット・サント海盆のMB-ES-22鉱区で天然ガスを共同開発するが、ヴァーレは生産した天然ガスを自社消費に充てる。
ヴァーレは2007年から自社消費向け天然ガスの確保のために、ブラジル石油監督庁(ANP)の第9回入札に参加して、ペトロブラスと共同で9鉱区を落札していた。
ペトロブラスと共同開発するBM-ES-22鉱区は2004年の第6回入札で落札、今年3月から開発に着手していたが、未だに天然ガスは発見されていない。
共同開発している鉱区の面積は2,000平方キロメートルとサントス海盆のツピー鉱区の2倍あり、またヴァーレ社の鉄鉱石の輸出積出港や鉄道や港湾施設などのインフラ設備が集中しているエスピリット・サント州の沿岸部に近いために、同社にとってはメリットが大きい。
ヴァーレ社はブラジル国内の火力発電の総消費量の4.5%を消費するために、天然ガスの安定的な供給確保並びにコストダウンを図るためには、ペトロブラスとの共同開発を余儀なくされている。
ヴァーレ社は4年前に韓国資本ドンクック、イタリア資本ダニエリ・スチールと共同でセアラー・スチールの建設を計画していたが、ペトロブラスと天然ガス供給で価格が折り合わなかった。
ヴァーレは天然ガスの消費のために年間25億ドルを支出、そのうちジーゼル燃料には7億ドルを支出しているために、自社での天然ガス開発でコスト削減を迫られている。{2009年6月25日付けエスタード紙}