ペトロブラス石油公社は、2006年のリオ州からサンタ・カタリーナ沖の岩塩層下(プレソルト)の天然ガス・石油発見以降で、最大となる天然ガスをセルジッペ州からアラゴアス州沖で発見した。
セルジッペ州都アラカジュ市の沖合に広がるMoita bonita鉱区並びに Muriu鉱区、 Poço Verde鉱区、 Barra鉱区、 Cumbe鉱区、 Farfan鉱区の6鉱区の1日当たりの天然ガス生産は、2,000万立方メートルで年間70億レアルの売上が見込まれている。
2014年~2017年にかけて北東部地域の石油・天然ガス開発は、石油派生品の国際コモディティ価格の低迷並びにラヴァ・ジャット汚職問題の影響によるペトロブラスの同地域での投資中止となっていた。
ブラジル石油監督庁(ANP)のFelipe・Kury取締役は、セルジッペ州-アラゴアス州沖の石油・天然ガス埋蔵量は非常に大きく、今回発見された6鉱区周辺でも有望な石油・天然ガス鉱区の発見が期待できると説明している。
鉱山動力省(MME)では、ペトロブラスは年内に天然ガスパイプライン設置に20億ドルを投資すると説明、アラカジュ市に隣接するBarra das Coqueiros市では天然ガス関連の投資が見込まれている。
セルジッペ港湾を擁するBarra das Coqueiros市には将来、天然ガス使用が不可欠なセラミック工業やガラス関連工業の誘致合戦が展開されると予想され、新たな一大工業地帯の誕生が期待されている。
セルジッペ州の人口は226万人、GDP総額は375億レアル、同州平均の人間開発指数(Human Development Index, HDI)は0.665、州都のアラカジュ市は0.770、GDPの内訳として商業・サービス部門は70.1%、鉱工業部門は24.6%、農畜産部門は5.2%となっている。
また今年のセルジッペ州の石油・天然ガスのロイヤリティ収入は8,590万レアル、2023年は1億700万レアル、前記同様にアラカジュ市は1,510万レアル、1,780万レアル、Barra das Coqueiros市は1,160万レアル、1,510万レアルが見込まれている。
今後5年後のセルジッペ州の天然ガス生産は4,000万立方メートルに達し、現在の北東部地域の天然ガス消費の4倍に達すると予想、ノルウエー資本Celse社は、ブラジル国内では民間企業として初めて液化天然ガス(LNG)工場を建設している。(2019年6月16日付けエスタード紙)