今年3月末で収穫を終える2017/18年度の砂糖・エタノール業界の売上は、前年比8.0%減少の900億レアルに留まるとサンパウロ州砂糖キビ加工業者連合(Unica)では予想している。
2018/2019年度のサトウキビ生産は、6億3,000万トン~6億4,000万トンが見込まれているが、2017/18年度のサトウキビ生産6億5,100万トンを大幅に下回ると見込まれている。
ペトロブラス石油公社によるガソリン価格の調整方法見直しで、サトウキビ生産業界では、砂糖生産を減少して価格の有利なエタノール生産に切り替えると予想されているために、2018/2019年度の砂糖生産は、現在の3,850万トンを300万トン下回ると予想されている。
サトウキビ生産企業の負債総額は1,000億レアルに達しており、2018/2019年度のサトウキビ生産向け投資は200億レアルが必要にも関わらず、業界の投資は100億レアルに留まると予想されている。
サトウキビ生産業界では2020年から施行予定の連邦政府による税制優遇制度のRenovaBioプログラムに期待しており、今後6カ月以内のプログラムの詳細が発表されるとサンパウロ州砂糖キビ加工業者連合(Unica)のアントニオ・デ・パヅア・ロドリゲス取締役は説明している。
連邦政府はバイオ燃料の生産拡大のためのRenovaBioプログラムに対する公聴会をすでに昨年下半期に開催。COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)での温暖化対策として、二酸化炭素排出削減の目標達成のためにもバイオ燃料の生産拡大を図る。
ブラジル国内のエタノール生産ブームは、2003年~2008年のルーラ政権下でガソリン並びにエタノール燃料が併用できるFLEX車の販売拡大に伴って、国内外の異業種の投資家が競って参入をしていた。
しかしジウマ政権では、インフレ指数を抑えるために国内向けの卸売ガソリン価格が国際コモディティ価格を無視して低価格に抑えられたために、エタノール生産が採算に合わなくなって、多くのサトウキビ生産企業が倒産に追い込まれた経緯があった。
2008年のブラジル国内のサトウキビ生産企業は450社を数えたが、2017年末には366社まで減少、サトウキビ栽培が盛んな中南部地域では、279社が砂糖・エタノールを生産しているにも関わらず、そのうち30社は企業再生法を申請している。(2018年1月22日付けエスタード紙)