ラテンアメリカ最大級の電力エネルギー会社であるブラジル中央電力公社(Eletrobras)は、財政再建政策の一環として負債軽減やコストカットなどで早急な構造改革に迫られており、連邦政府ではEletrobras公社傘下の水力発電所や電力エネルギー配電会社などの民営化を検討している。
国会でのEletrobras社の民営化承認を得て、Eletrobrasでは、傘下のフルナス電力公社(Furnas )やサンフランシスコ水力発電公社(Chesf )、北部電力公社(Eletronorte)、南部地域電力公社(Eletrosul)などの外資系企業への放出が可能となる。
財政再建政策の一環として負債軽減やコストカットなど早急な構造改革に迫られているブラジル中央電力公社(Eletrobras)は、すでにサント・アントニオ水力発電所並びにベロ・モンテ水力発電所、ジラウ水力発電所の持株放出を発表していた。
鉱山エネルギー省では、Eletrobrasが傘下の水力発電所や電力配給会社を民営化しても、連邦政府は継続して小株主として資本参加で配当金を受け取る形態を維持する。
Eletrobras社は民営化を進めてもポルトガルやフランス、イタリア政府が実施した世界的な電力会社による運営で、電力供給の安定性を維持できると強調している。
サンパウロ証券取引所(BM&FBovespa)と証債権取引決済・保管センター(Cetip)が合併して設立されたB3社のEletrobras社の現在の時価総額は、昨年11月末の355億レアルから約200億レアルまで下落、Eletrobras社傘下企業の民営化後でも連邦政府は120億レアル相当の株式を維持する。
Eletrobrasは過去15年間で2,500億レアルに達する損害を連邦政府にもたらしていると指摘、2012年~2015年だけでも300億レアルの損害をもたらしていると鉱山エネルギー省では指摘している。
Eletrobras社の民営化は、テーメル大統領が2016年9月にインフラ事業の更なる民営化を目的とした投資パートナーシッププログラム(PPI-Programa de Parcerias de Investimentos)の担当部門で分析されている。
Eletrobras社の民営化は連邦政府の財政健全化政策の一環として不可欠であり、また民営化後のブラジル国内の電力エネルギーの安定的な生産性や電力料金は、改善されるとモレイラ・フランコ大統領府秘書室長官は強調している。
Eletrobras電力公社の従業員総数は1万7,000人、電力発電送料は4万6,856メガワット、電力送電総距離は7万201キロメートル、負債総額435億3,200万レアルに対して時価総額は202億レアルに留まっている。(2017年8月22日付けエスタード紙)