ペトロブラス石油公社は、昨年までの石油の国際コモディティ価格低迷や負債削減、ラヴァ・ジャット作戦汚職問題による格下げや時価総額の下落などの要因で、自社資産売却を余儀なくされている。
「クラウンジュエル」とも呼ばれてペトロブラス社で最も魅力的な事業部門燃料配給会社であるBR Distribuidora社の売却について、会計検査院(TCU)は、売却プロセスの見直しを命じて、ペトロブラスでは2015年開始の売却プロセスのやり直しを余儀なくされている。
ペトロブラス石油公社は、プレソルト油田開発を中心とした投資金調達のために石油配給事業のBR Distribuidora社の新規株式公開を実施して25%の株式放出を発表したにも関わらず、興味を示す企業が現れなかった。
昨年11月にイタウーザ社は、Brasil Warrant社との共同で同社グループ企業のBR Mania社の買収に名乗りを上げた。またGP Investimentos社並びに Lojas Americanas社、米国投資ファンド Advent社、オランダ資本 Vitol社も同社資産の買収に名乗りを挙げていた。
ペトロブラス石油公社では、BR Distribuidora社の株式の51%売却をして経営権の譲渡を余儀なくされているが、49%の株は継続して維持すると予想されており、2018年末までに自社資産売却で210億ドルの資金調達を予定している。
ペトロブラスではすでにBR Distribuidora社の株式譲渡以外にも火力発電所の売却、液化天然ガスターミナル、地上並びに岩塩層上の海洋油田鉱区の売却を発表している。
自社資産売却が最終段階の案件として、Karoon社へのカンポス海盆のバウア鉱区並びにタルタルーガ・ヴェルデ鉱区の売却、米国内のメキシコ湾の原油鉱区となっている。
またすでに売却交渉が締結している案件として、家庭用プロパンガス配給会社Liquigas社をコンペティターのUltraグループ傘下Ultragaz社に譲渡、Alpek社に対する石油化学Suape社並びに Citepe社の売却、Compania General de Combustible S.Aに対するアルゼンチンのアウストラル鉱区の資産売却などとなっている。(2017年3月16日付けエスタード紙)