中国三峡集団公司(CTG)は、1999年にブラジルの電力エネルギー部門に進出した米国資本Duke Energyのブラジル国内資産を買収して民間4位の電力エネルギー企業となった。
また同じ中国資本のライバルState Grid社は、今年7月にゼネコン大手カマルゴ・コレア社が擁していたCPFL Energia社の23%に相当する株を58億5,000万レアルで取得、ブラジルでの電力エネルギー部門のマーケットシェア拡大を図っている。
中国三峡集団公司(CTG)は、今年2月に中米並びに南米から撤退して米国内の電力事業に集中すると発表していた米国資本Duke Energy社とM&A交渉を続けていた。
昨日、中国三峡集団公司(CTG)は、Duke Energy社との間でサンパウロ州並びにパラナ州内に擁する総発電能力2,270メガワットで2,700万世帯に電力エネルギーを供給する8カ所の小型水力発電所譲渡交渉で12億ドルでの売買契約に漕ぎ着けた。
今回の総発電能力が2,270メガワットの買収で中国三峡集団公司(CTG)のブラジル国内での総発電能力は8,827メガワットに達して、フランス・ベルギー資本Engie社の7,300メガワットを抜いて民間電力会社4位に上昇している。
中国三峡集団公司の総発電能力8827メガワットを超えている国営並びに民営電力会社は、ブラジル中央電力公社(Eletrobras)並びにサンフランシスコ水力発電公社(Chesf )、フルナス電力公社(Furnas )、北部電力公社(Eletronorte)の4社。
中国三峡集団公司は2013年にブラジルに進出、2014年にEDP社グループのパラー州並びにアマパ州、マット・グロッソ州内の子会社を買収、2015年には南部地域並びに北大河州の11カ所の風力発電所に50%の資本参加、またTPIグループ傘下の水力発電所を20億レアルで買収していた。
昨年11月に中国三峡集団公司(CTG)は、総発電能力が5,000メガワットのイーリャ・ソルテイラ水力発電所並びにジュピアー水力発電所の操業権を130億レアルで落札していた。
しかしCTGのライバルであるState Grid社は、ブラジル国内で最大の風力発電事業を行うRenova Energia社の買収、ラヴァ・ジャット作戦汚職問題で企業経営に困難を極めているオデブレヒト社の資本参加しているロンドニア州マデイラ河流域に建設されているサント・アントニオ水力発電所に資本参加しているケイロース・ガルボン社の資産売却にも食指を伸ばす可能性があると業界関係者は示唆している。(2016年10月11日付けエスタード紙)