ブラジル銀行の2020年の純益総額は、COVID-19パンデミックの影響を受けて前年比22.2%減少の138億8,400万レアルに留まった。また同行の昨年第4四半期の純益は、貸倒引当金を削減したにも拘らず、前年同四半期比20.1%減少の36億9,500万レアルを記録、金融市場関係者の純益予想の35億4,200万レアルを上回った。
ブラジル銀行業務のデジタルトランスフォーメーションの一層の加速化及び一般消費者向けクレジット部門拡大で、ブラジル銀行の2021年の純益は、最低でも前年比15.2%増加の160億レアル~190億レアルを同行のAndré Brandão会長は見込んでいる。
また今年のブラジル銀行の純益増加予想の要因として、昨年はCOVID-19パンデミック対応で221億レアルに達したクレジット向け貸倒引当金に対して、今年は140億レアル~170億レアルに引き下げを計画している。
ブラジル銀行の昨年のファイナンスマージンは5.1%であったが、今年のファイナンスマージンは2.5%~6.5%を見込んでいる。また名目サービス収入及びアドミニストレーションフィーは±1.5%を見込んでいる。
また同行の昨年第4四半期のファイナンスマージンは、主にクレジット部門の収益が牽引して、前四半期比1.1%増加の142億レアルに達していた。
ブラジル銀行の昨年末のクレジット残高は、商業部門並びに中庸企業向けクレジットが牽引して前四半期比1.5%増加の7420億レアル、前年比9.0%増加している。
そのうち個人向けクレジットは、年金・恩給受給者口座連動型クレジット及びクレジットカードが牽引して3.0%増加、中小企業向けクレジットは、緊急クレジット枠が牽引して11.1%と二桁増加を記録している。
同行の昨年末のクレジット部門の延滞率は、COVID-19パンデミック対応による1,300億レアルに達する返済の先送り容認効果で、前四半期末の2.4%から1.9%に減少、前年末の延滞率3.3%から大幅に減少している。
昨年末のクレジット部門向け貸倒引当金による支出は、前四半期比6.4%減少の52億レアル、前年末比46.3%と大幅に減少している。
2020年のブラジル銀行、イタウー銀行、ブラデスコ銀行並びにサンタンデール銀行の純益総額は、前年比24.14%減少の657億2,700万レアル、昨年第4四半期の純益総額は、前年同四半期比9.76%減少の197億9,200万レアルであった。