2013年にコロンビア人デヴィット・ヴェレス氏が設立したNubank(ヌーバンク)は、更なるメキシコ並びにアルゼンチンでの事業拡大のために3億7,500万レアルの資金調達に成功している。
Nubankは、2018年10月に中国資本テンセント社から1億8,000万ドルを調達、同社の時価総額は評価額は40億ドルに達し、ブラジルで最も有名なユニコーン企業の同社の出資元には、セコイア・キャピタルやKaszek Ventures、Tiger Global Managementが名を連ねている。
Nubankは昨年1月に、ブラジルの中央銀行から消費者向けローンを提供する正式な許可を取得、「ブラジルの金融当局はフィンテック領域で過当競争が起きることを懸念しているが、金融当局と連携をとりつつ、この分野に適切なルールがもたらされることを期待している」とヴェレス氏はコメントしている。
Nubankがブラジルで成功を収めた要因の一つに、銀行サービスよりも先に、クレジットカードサービスの提供を開始。クレジットカードサービスなら知名度のない企業でも利用者拡大ができるとヴェレス氏は成功の要因を説明している。
Nubankは5行の投資銀行から償還期間が10年物の確定金利付き債権発行で7,500万レアルを調達、また償還期間が2年物で金利が銀行間預金証(CDI)の116%の債権を18金融投資銀行から3億レアル調達している。
総額3億7500万レアルの調達資金は先月に営業を開始したメキシコ支店の従業員を年末までに100人に増員するが、3,600万人のメキシコ人は口座を持っていない。人口の25%だけがクレジットカードを擁している。
またアルゼンチンでは1,600万人が銀行口座を擁していないために、Nubankはフィンテック領域での急速な拡大を目論んでいる。Nubankはラテンアメリカ地域ですでに900万人の顧客を開拓、調達資金は既に4億2,000万レアルに達している。昨年のNubankは前年比14.0%減少の1億30万レアルの赤字を計上している。(2019年6月18日付けエスタード紙)