今年最終のブラジル鉄鋼院(IABr)のブラジル国内の粗鋼生産予想は昨年の3,940万トンを11.7%下回る3,526万トンに下方修正、今年の輸入鉄鋼製品は昨年を下回っているが、例年を大幅に上回っている。
ブラジル国内の鉄鋼メーカーはヨーロッパの財政危機、米国の不透明な景気見通し、高止まりするレアル高の為替による輸入鉄鋼製品の増加や国内の自動車生産の減産などの要因で、新たな投資に歯止めがかかっている。
ブラジル鉄鋼院のマルコ・ポーロ・ロペス会長は今年の鉄鋼製品輸入は前年比37.9%減少の360万トンを予想、また間接的な輸入鉄鋼製品の設備投資向け機械・装置、輸入自動車や自動車部品の輸入増加は850万トンの鉄鋼製品輸入に相当する。
ロペス会長はドル安、州税である商品流通サービス税(ICMS)に関する州間の税制戦争、在庫増加による値下げなどで、ブラジル国内鉄鋼メーカーの収益が圧迫されているとコメントしている。
IABrでは2012年のブラジル国内の粗鋼生産を6.3%増加の3,750万トン、鉄鋼製品の輸入は0.7%減少、国内の鉄鋼製品販売は7.1%増加をそれぞれ予想している。(2011年11月30日付けエスタード紙)