韓国資本の現代重工はブラジルのインフラ部門への投資拡大が見込まれるために、昨日、リオ州南部のイタチアイア市に工場を建設のための1億5,000万ドルの投資で、同社のJai Seong Lee社長とリオ州のセルジオ・カブラル州知事が議定書にサインした。
現代重工はリオ州が工場誘致のために提供した優遇税制に従って、アジア以外では初めて生産工場を建設、2012年末からの操業開始でブルドーザー、フロントショベル機やバックホー機を年間5,000台の生産を予定している。
実業家エイケ・バチスタがリオ州北部のアスー港に30億ドルを投資してOSX造船の建設を予定、現代重工は同社に10%の資本参加並びに造船技術を提供、また石油開発部門、風力発電や太陽光発電部門への参入も予定している。
Lee社長は「わが社はインフラ関連部門で大きなポートフォーリオを持っており、わが社のテクノロジーの導入でブラジルと共に発展することが可能であり、世界経済の牽引役となる」と強調、また「ブラジルではワールドカップ、オリンピックなど大型プロジェクトが目白押しで、ブラジルの建設部門は大いに飛躍できる」と述べている。
イタチアイア市の現代重工の工場にはブラジル資本のBMC社が25%資本参加して営業部門を担当、同工場の直接雇用は500人、BMC社のフェリッペ・カヴァリエリ社長が製品は国内並びにラテンアメリカ向けにも輸出、また社会経済開発銀行(BNDES)から融資を受けるため、国産化比率を60%まで挙げる必要があるために、国内の部品メーカーから供給を受ける予定となっていると説明した。
議定書サインはカブラウ州知事の出席のもとグアナバーラ宮で実施、現代重工は米国もしくはロシアへの工場建設を検討していたにも関わらず、カブラウ州知事が商品流通サービス税(ICMS)の優遇税制で同社のリオ州内への企業誘致に成功した。
リオ州政府のジューリオ・ブエノ開発長官は企業誘致では優遇税制適用で税金戦争との批判は存在するにも関わらず、ブラジルの競争力増加につながると企業誘致を評価している。(2011年7月26日付けエスタード紙)