ブラジル鉄鋼院(IBS)の調査によると伝統的に輸入鉄鋼製品の比率は国内消費量の6%から7%で推移していたが、今年は国内鉄鋼製品価格が輸入製品よりも高いために20%まで達している。
輸入鉄鋼製品の急増は大幅なレアル高の為替、州や連邦政府の輸入鋼材に対する優遇税制並びに国内鉄鋼製品の値上がりで、鉄鋼商社が投機的な輸入を行っているために在庫が上昇している。
今年上半期の輸入鉄鋼製品は252万8,000トンに達して昨年1年間の223万1,000トンをすでにオーバー、今年1年間の輸入は41万5,000トンが見込まれている。
世界金融危機後の2009年上半期に国内鉄鋼メーカーは需要の低下に伴って減産調整を実施、しかし連邦政府は景気刺激策として自動車、白物家電や建材向け工業製品税(IPI)を実施したために国内鉄鋼生産が追い付かず、6高炉の再稼働を行った。
ウジミナス、ゲルダウ、CSNやアルセロール・ミッタルなどブラジルで鉄鋼生産しているメーカーは顧客への鉄鋼製品供給のために、21万3,960トンの鉄鋼製品の輸入を余儀なくされた。
今年上半期の輸入鉄鋼製品はセアラー州、エスピリット・サント、ペルナンブーコ、サンタ・カタリーナ並びにパラナ州の港湾から輸入されているが、伝統的に輸入実績のない港湾からの輸入も含まれている。
上半期のサンタ・カタリーナ州のサンフランシスコ・ド・スール港の輸入鉄鋼製品は19万8,000トン、特に中国からの輸入は前年同期比500%増加の3万600トンに達している。
またペトロブラス石油公社傘下の運輸部門のトランスペトロ社は船舶部門再生プログラム向けに15万トンの鉄鋼製品を購入、しかし2/3は低価格の中国、ウクライナや韓国からの輸入となっている。(2010年8月26日付けエスタード紙)