ブラジル鉄鋼協会(IABr)では連邦政府の造船部門向け鉄鋼の輸入関税の優遇策導入並びにレアル高に傾いている為替などで、鉄鋼商社は投機的な輸入を行っていると指摘している。
鉄鋼商社の関係者は輸入鉄鋼価格が国内鉄鋼価格よりも10%から15%安く、また海外鉄鋼メーカーへの注文と納期にずれがあるために為替のリスクは存在するが、投機的に在庫を増やしている。
ブラジル鉄鋼配給協会(INDA)の調査では現在の在庫は通常の2.6カ月を大幅に上回る3.6カ月に達して、記録的な在庫となっている。
IABr協会のマルコ・ポーロ・デ・ロペス会長は連邦政府の造船部門への支援策として、ペトロブラス石油公社の輸送部門を担当するTranspetro社は中国から1万9,000トンの粗鋼を輸入関税ゼロで輸入したと不満をぶつけている。
鉄鋼の輸入関税は12%から14%であるが、Transpetro社は49隻の船舶建造に対して、国内価格よりも安価な中国製の鉄鋼を68万トン輸入する計画を立てている。
Transpetro社のセルジオ・マシャード社長はブラジルの鉄鋼メーカーを含む8カ国の15鉄鋼メーカーが鉄鋼供給の入札に参加、しかし中国メーカーの価格が最も安かったと説明している。(2010年7月28日付けエスタード紙)