経済リセッション真っただ中の2015年の景気の底から回復基調に突入したブラジルの3大鉄鋼メーカーの株価が順調に回復してきており、鉄鋼メーカーは、今年も株価上昇による時価総額増加を見込んでいる。
2015年末のブラジル国内の平板鋼トップメーカーのウジミナス社並びに棒鋼トップメーカーのゲルダウ社、ナショナル製鉄所(CSN)の3社の時価総額は、157億レアルまで落ち込んでいたが、昨日11日の3社の時価総額は541億レアルと3倍以上増加、2013年に記録した641億レアルに接近してきている。
3大鉄鋼メーカーの時価総額推移では、2012年は601億レアル、2013年は641億レアルでピークに達し、2014年321億レアル、2015年は157億レアルで底を打ったが、2016年444億レアル、2017年474億レアル、今年は542億レアルが予想されている。
2017年からの国内景気の回復に伴って株価が上昇し続けており、昨日のCSNの1株当たりの株価は5.85%高騰の10.85レアル、ゲルダウは8.16%高騰の14.97レアル、ウジミナスは5.37%高騰の10.80レアルを記録している。
また2018年のCSNの1株当たりの株価は29.48%、ゲルダウは20.92%、ウジミナスは18.68%とそれぞれ大幅な株価上昇が予想されており、特にゲルダウの時価総額は241億9,000万レアル、CSNは150億レアル、ウジミナスは149億レアルに達すると予想されている。
2013年のブラジル国内の鉄鋼消費は2,800万トンに達していたものの、経済リセッションが最悪に達していた2016年には1,800万トンまで国内消費が落ち込んでいた。
しかし2017年初めから輸出が牽引して自動車メーカー向け平板鋼需要が牽引して、2017年の鉄鋼販売は、特に下半期は原材料上昇による価格転嫁も後押しして前年比4.0%増加の1,900万トンに達していた。
昨年下半期の1トン当たりの粗鋼価格は580ドルで推移していたが、BTG パクツアル銀行の業界スペシャリストは、今年の粗鋼価格は前年比10%増加を予想している。
今年の自動車メーカー向け平板鋼の平均価格は23%までの値上げが予想されており、また製造業向け平均価格は約20%値上げ、卸売業者向けには12%の値上げが予想されている。(2018年1月12日付けヴァロール紙)